売買を両方経験したから分かる、仲介業者が言わない中古マンションの売買知識【買い方編】

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中古マンションを購入する時、下手をすれば何十万という単位でお金をドブに捨ててしまいます。

私は中古マンションを購入し、6〜7年ほど住んだ後に売却しました。

中古マンションの相場が高騰していることも相まって、購入価格より高額で売却できた経験から、中古マンションを買う側の立場で「できるだけ安く購入する可能性」を上げるための知識を紹介します。

現所有者が当時購入した中古価格を把握する

購入を検討している中古マンションの現所有者が当時購入した中古価格を把握することは、価格交渉において重要です。

中古マンションは、「レインズ(REINS)」と呼ばれる、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している業者専用の不動産情報サイトがあります。

本記事の趣旨から外れるため、詳細は割愛しますが、不動産仲介業者と結ばれる「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」の物件は登録義務があり、必ず売買履歴が残っています。

また、これも同様に詳細は割愛しますが、「一般媒介契約」の物件は登録義務がなく、この契約形態で完結した取引は、レインズに登録されていない可能性が大きいです。

よって、現所有者が当時購入した中古価格や同じマンションの違う部屋の中古価格も不動産仲介業者であれば、誰でも把握していますので、教えてもらいましょう。

新築価格を把握する。

現所有者が当時購入した中古価格の他に、新築価格も把握すれば更に価格交渉の材料が盤石となります。

新築価格の情報は、レインズには残念ながら登録されておらず、不動産仲介業者も膨大な件数のマンションの新築価格を把握していることはまずあり得ません。

では、誰がその情報を持っているのかというと、民間の不動産情報サイトです。

不動産情報サイトは、アットホームやSUMMO、ホームズ等が有名どころで、一度は名前を聞いたことがあるかと思います。

30年を超える築古の物件情報はないかもしれませんが、20年以内のマンションであれば上記の不動産情報サイトが、不動産仲介業者向けの有料サービスとして、展開しています。

私は業者ではないので価格は不明ですが、仲介手数料に含んでいるということで、売買時に不動産仲介業者から無料で提供してもらいました。これを仲介手数料とは別途有料で提供するようであれば、業者を変えることを検討しましょう。

現所有者のローン残高を把握する。

ローン残高より低い金額での売買は基本的には買主は嫌がります。よほどのことがない限り順当にローン残高は減りますので、相場価格がローン残高を下回ることがないのですが、たまに現所有者が家を担保に新たな借金をしている場合があります。その場合は、「相場価格<ローン残高(当初)+ローン残高(追加分)」が成り立ってしまい、価格交渉が難航する場合があります。

登記簿情報から最終的には確認できますが、手間もかかりますし、繰上返済や利率が改定されていると計算がむずかしくなるため、不動産仲介業者にまずは聞いてみましょう。

任意売却物件かどうかを確認する。

任意売却とは、ローン返済が厳しくなってしまい、銀行に不動産を取り押さえ、競売に掛けられる前の状態です。競売(業者向け)に掛けられると任意売却(一般向け)よりも買い叩かれてしまうので、売主としては急を要しています。

通常であれば、じっくり時間を掛けて高く買ってくれる買主を探しますが、そのような時間がないため、価格交渉には強い立場で望めます。

仲介手数料割引の業者を使う

インターネットや投函されるビラ広告で知っている方も多いと思いますが、不動産仲介業者も顧客獲得の競争のため、国が定めた不動産仲介手数料の上限から割引している業者もいます。

主に、中小の不動産仲介業者がそういった取り組みを展開しており、概ね「仲介手数料を半額」としている業者が多くいます。

なかには、「仲介手数料無料」等の不動産仲介業者もいます。これは所謂「両手」と呼ばれる、売主および買主の双方から不動産仲介を一つの業者ができた場合に考えられます。

業者は価格の査定なんてできない。

中古マンションの販売価格はどうやって決められるのかというと、ほとんどは売主の意向です。ローン残高も価格材料の一つです。

しかし、中小企業診断士の立場から言うと、販売価格は「需要と供給」の一言です。

他と比較して高めの販売価格でも、そこにどうしても住みたいという人がいれば、売り出しから1〜2週間で取引されてしまいます。

この記事を見られている買主側の方はアットホーム等の不動産情報サイトを日々チェックされていると思います。

そこで、購入を希望しているエリアで、「この物件いつまで経っても売れていないな」という物件が何件もあるかと思います。そういった物件は言うまでもなく、需要に応じた供給になっていないということです。

不動産仲介業者としては、レインズから同じマンションもしくは近隣の売買履歴を買主に提供し、販売価格を間取り(平米数)で割った、平米単価を元に計算するぐらいです。

しかし、買う方の立場で言えば、過去の売買履歴からの平米単価は大きな交渉材料です。平米単価から割り戻された価格が販売価格よりも低い場合は、「同マンション(もしくは近隣マンション)の平米単価の実績から割り戻した価格がこれ程度だから、◯○円下げられないでしょうか。」という交渉ができます。

質の低い仲介業者と出会わないために

不動産仲介業者としては、これらの知識を知られると、言い方は悪いですがカモネギではなくなるため、進んで提案してきません。

アットホーム等の不動産情報サイトで、同じ物件で複数の不動産仲介業者が掲載されている場合は、上記の知識を問合せ時に記載し、教えてもらえるかどうか確認しましょう。

まとめ

  • 不動産仲介業者から、同マンションや近隣の新築価格や中古売買履歴を確認する。
  • 現所有者から、不動産仲介業者経由で、現在のローン残高、任意売却の是非を確認する。
  • 不動産情報サイトで、上記を提供可能できる不動産仲介業者を選ぶ。

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