R4年度 建築設備士試験 第二次試験 選択共通問題
第5問 電気設備の配置図の解答例です。
第3問&第4問はこちらを参照ください。
- 全般照明の照明器具の設計台数
- 電気設備の配置図
- 与件の留意点・ポイント
- 1 )設計照度は、500 lxとすること。
- 2 )全般照明の照明器具は、埋込形のものとし、全光束を4,700 lm /台、保守率を0.77、照明率を0.78、最大器具取付間隔Lmを1.20 Hとすること。
- 3 )全般照明の照明器具の設計台数の算定及び配置に当たっては、最大器具取付間隔Lmも考慮すること。
- 4 )図示記号は、表 5 ‒ 1 に示すものを使用すること。
- 5 )全般照明の照明設備については、照明器具及び点滅器( 3 路スイッチ)を記入すること。また、点滅器による点滅区分の範囲を破線で示すこと。
- 6 )非常用の照明装置、自動火災報知設備及び非常放送設備の器具は、必要最少個数を記入すること。
- 7 )非常用の照明装置は、専用形で埋込形のものとすること。
- 8 )非常用の照明装置の器具の配置に当たっては、表 5 ‒ 2 を使用すること。
- 9 )自動火災報知設備の感知器は、煙感知器(光電式スポット型( 2 種))とすること。
- 10)OAフロア用のコンセント設備には、ハーネスジョイントボックス( 2 分岐)を使用すること。
- 11)将来の間取りの変更は、考慮しないものとすること。
- その他の留意点・ポイント
- 類題
全般照明の照明器具の設計台数
与件より、
理論台数= 設計照度[lx]×面積[m2] / (光束[lm]×保守率×照明率)
= 500×(7.7×14.8) / (4,700×0.77×0.78)
= 20.19[台]
また、Lmは作業面高さを80cmとすると、
Lm = 1.2×H = 1.2×(3.0 – 0.8) = 2.64
よって、XY方向の最低台数はそれぞれ
Xlm= 14.8 / 2.64 = 5.61
Ylm = 7.7 / 2.64 = 2.92
以上より、7×3の21台とする。
電気設備の配置図
与件の留意点・ポイント
1 )設計照度は、500 lxとすること。
上記の照明器具の設計台数を算出する時の前提条件です。
事務室は750lxを要求される場合もありますので、数値は間違えずにしましょう。
2 )全般照明の照明器具は、埋込形のものとし、全光束を4,700 lm /台、保守率を0.77、照明率を0.78、最大器具取付間隔Lmを1.20 Hとすること。
上記の照明器具の設計台数を算出する時の前提条件です。
これらの数値は照明器具ごとに変わってきますので、今後も暗記する必要はないでしょう。
3 )全般照明の照明器具の設計台数の算定及び配置に当たっては、最大器具取付間隔Lmも考慮すること。
今回の問題では引っかかることは少ないと思いますが、例えば5x5の25台を設置してしまうと、X方向の最低設置台数5.61台を満たさなくなります。
言い換えると、照明器具同士が最大器具取付間隔以上に離レてしまうことになり、減点対象になるでしょう。
4 )図示記号は、表 5 ‒ 1 に示すものを使用すること。
図記号は全て使用してください。
本問では特に使い方が難しい器具はありませんので、特に気にする必要はないでしょう。
5 )全般照明の照明設備については、照明器具及び点滅器( 3 路スイッチ)を記入すること。また、点滅器による点滅区分の範囲を破線で示すこと。
3路スイッチとは、2箇所の離れた位置に同じ照明器具を入り切りする際に使われるスイッチです。本問では扉が2つあることから、「それぞれの扉にスイッチを設けなさい。」と読み取れます。
解答例では7x3の奇数配列のため、点滅区分を3分割にしております。もし、4x6等の偶数配列となる場合は、点滅区分は2分割でも構わないでしょう。但し、本問においては、最小の設計台数は7x3となりますので、4x6等の過大な配列は減点されるかもしれません。
6 )非常用の照明装置、自動火災報知設備及び非常放送設備の器具は、必要最少個数を記入すること。
非常用の照明装置
南北主断面図から事務室の高さを読み取ります。本問では3mと記載されております。
上記高さより、表5−2の数値は「3m」から選定を行い、四角配置で5.8mおよび端部で1.8mとなります。本問で出題されるような比較的広い事務室ではこの四角配置と端部の数値が必要となります。
非常照明は均等配置見えるように配置しておき、端部のみ長さを記入しておけば、採点者の印象は問題ないと思います。
一方で、単体配置は控え室や面談室のような小さな部屋、直線配置は廊下のような細長い空間に適用すればよいでしょう。
自動火災報知設備
煙感知器(光電式スポット感知器2種)は、150平米毎(高さ4m未満)に1個設け必要がありますので、1個で十分です。
なお、熱感知器(差動式スポット型感知器2種)は、70平米毎(高さ4m未満)に1個設ける必要がありますので、感知器の仕様を間違えないようにしましょう。
余談ですが、熱感知器の方が廉価であるため、守備範囲は狭いですが採用されることが多いです。
非常放送設備
非常放送用のスピーカーは10m包含につき、1個設ける必要がありますので、今回は1個で十分となります。
7 )非常用の照明装置は、専用形で埋込形のものとすること。
この与件の必要性はわかりませんが、特に図示記号通り書いていれば問題ありません。
もしかすれば非常照明付きのベースライトが今後出題されるかもしれません。
8 )非常用の照明装置の器具の配置に当たっては、表 5 ‒ 2 を使用すること。
与件6)のとおり、高さ3mの条件で製図しましょう。
9 )自動火災報知設備の感知器は、煙感知器(光電式スポット型( 2 種))とすること。
こちらも与件7)同様、この与件の必要性はわかりませんが、特に図示記号通り書いていれば問題ありません。
10)OAフロア用のコンセント設備には、ハーネスジョイントボックス( 2 分岐)を使用すること。
フロアコンセントは、8〜10平米に1個設ければよいでしょう。
また、ハーネスジョイントボックス(2分岐)はコンセント2個相当と考えますので、全体として8個程度ハーネスジョイントボックスを設けておけば問題ありません。
11)将来の間取りの変更は、考慮しないものとすること。
例えば、X6通りで間仕切りやが設けられるかもしれませんが、今回は考慮が必要ないということです。
仮に敢えて間仕切りを考慮したような印象を採点者に与えると減点されるかもしれません。
その他の留意点・ポイント
- 壁コンセントは壁面に1スパン毎に最低1個設けておけば無難です。公共標準では居室内に清掃用のコンセントを設けることが記載されておりますが、利用者用のコンセントの方が数が多く必要となりますので、多めに設けておきましょう。
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