製品アーキテクチャにはインテグラル型とモジューラ型の2種類に大きく分かれています。
アーキテクチャとは、日本語で「建築物」・「建築様式」・「建築学」・「構造」を意味する。また、そこから転じて、コンピュータ分野における「設計思想」の意味でも使われるようになっています。
製品アーキテクチャは、製品の機能と構成を見える化した設計思想であり、構成する個々の部品同士間の連携を表します。
インテグラル型とは
インテグラル型とは、製品の機能が複数の部品にまたがって複雑に構成されており、部品同士間のインターフェースも製品ごとの最適化を図っているような製品設計思想のことです。
インテグラル型アーキテクチャの開発を導入することで、以下のメリット・デメリットが生まれる。
メリット
- 軽量化や小型化が図れる。
- 製品の模倣困難性の向上する。
デメリット
- 部品同士間のインターフェースの複雑化する。
- 部分の変更・修正が、全体の変更・修正に及ぶことが多い。
インテグラル型の製品例
- 乗用車(車体、エンジン、タイヤ、制御系統、ブレーキ、タイヤ等)
- 大型旅客機
- 業務用複合機
- 精密機械
- ゲームソフト
モジューラ型とは
モジューラ型とは、製品の機能が部品毎に構成されており、部品同士のインターフェースも標準化が図られているような製品設計思想のことです。
モジューラ型アーキテクチャの開発を導入することで、以下のメリット・デメリットが生まれる。
メリット
- 標準化されているので開発コストが抑えられる。
- 機能の追加が容易となる。
デメリット
- 標準化された部品のみでは、要求された機能を満たせないことがある。
- 模倣困難性が低い。
モジューラ型の製品例
- PCおよび周辺機器(本体、キーボード、マウス、プリンター等)
- 自転車(シャーシ、タイヤ、サドル、ホイール等)
- 工作機械
間違えやすいポイント
”量産できる → モジューラ型” ではない!!
間違えやすいポイントの一つが量産できるものはモジューラ型であるとは限らないということです。
何故ならば、製品アーキテクチャとはあくまで設計思想であり、製造にかかる量産体制は別工程のお話だからです。
自動車も製品ごとに細かな製品設計を行い、最適化を図るインテグラル型の製品ですが、トヨタを代表する企業では量産体制を敷いていることが、想像に容易いと思います。
”インテグラル型 → 一品もの”ではない!!
上記の説明からも分かるとおり、反対にインテグラル型の製品は決して一品ものではないということです。
ただ、例えばオーダーメイドの製品があるかと思いますが、それはインテグラル型であり、一品ものであります。
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